【Swift】PhotosPickerとは？使い方や活用シーンをわかりやすく解説！

2025.08.16 2025.08.16

iOS 16以降で導入されたPhotosPickerは、SwiftUIアプリで写真選択機能を簡単に実装できるコンポーネントです。

本記事では、基本的な使い方から実践的な活用方法まで解説していきます。

PhotosPickerとは？

PhotosPickerは、PhotosUIフレームワークの構造体（struct） です。

SwiftUIでユーザーの写真ライブラリから画像や動画を選択する機能を提供するViewコンポーネントで、iOS 16以降で利用可能です。

PhotosPickerは写真ライブラリとの連携機能を提供するため、SwiftUI単体には含まれておらず、専用のPhotosUIフレームワークをインポートする必要があります。

このフレームワークはiOS標準なので、追加のライブラリインストールは不要です。

主な機能

写真ライブラリからの画像・動画選択: ユーザーの写真ライブラリから任意のメディアファイルを選択
複数選択対応: 一度に複数の画像を選択する機能
メディアタイプの制限: 画像のみ、動画のみなど、選択可能なファイル形式を制限
システム標準UI: iOSのシステム標準ピッカーUIを自動で提供
プライバシー保護: 必要な写真のみアクセス可能で、プライバシーに配慮

主要な引数、プロパティやメソッドは？

PhotosPickerには様々な設定オプションが用意されており、アプリの要件に応じてカスタマイズできます。

基本的な引数

引数	型	説明
`selection`	`Binding<PhotosPickerItem?>`	選択されたアイテムをバインドする変数
`maxSelectionCount`	`Int?`	最大選択数（nilの場合は無制限）
`selectionBehavior`	`PhotosPickerSelectionBehavior`	選択時の動作設定
`matching`	`PHPickerFilter?`	選択可能なメディアタイプの指定
`preferredItemEncoding`	`PhotosPickerItem.EncodingDisambiguationPolicy`	エンコーディング設定

サンプルコード例

基本的な使用例

最もシンプルなPhotosPicker の実装例です。

1枚の画像を選択して表示する基本的なパターンを紹介します。

import SwiftUI
import PhotosUI

struct ContentView: View {
    @State private var selectedItem: PhotosPickerItem?
    @State private var selectedImage: Image?
    
    var body: some View {
        VStack {
            PhotosPicker("写真を選択", selection: $selectedItem)
            
            if let selectedImage {
                selectedImage
                    .resizable()
                    .scaledToFit()
                    .frame(width: 300, height: 300)
            }
        }
        .onChange(of: selectedItem) { oldValue, newValue in
            Task {
                if let loaded = try? await newValue?.loadTransferable(type: Image.self) {
                    selectedImage = loaded
                }
            }
        }
    }
}

import SwiftUI

import PhotosUI

struct ContentView: View {

@State private var selectedItem: PhotosPickerItem?

@State private var selectedImage: Image?

var body: some View {

VStack {

PhotosPicker("写真を選択", selection: $selectedItem)

if let selectedImage {

selectedImage

.resizable()

.scaledToFit()

.frame(width: 300, height: 300)

}

.onChange(of: selectedItem) { oldValue, newValue in

Task {

if let loaded = try? await newValue?.loadTransferable(type: Image.self) {

selectedImage = loaded

}

このコードでは、onChange修飾子を使って選択されたアイテムの変更を監視し、非同期で画像データを読み込んでいます。

複数選択の例

複数の画像を同時に選択する場合の実装例です。

SNSアプリの投稿機能などで活用できます。

struct MultipleSelectionView: View {
    @State private var selectedItems: [PhotosPickerItem] = []
    @State private var selectedImages: [Image] = []
    
    var body: some View {
        VStack {
            PhotosPicker("写真を選択（最大3枚）", 
                        selection: $selectedItems,
                        maxSelectionCount: 3,
                        matching: .images)
            
            ScrollView {
                LazyVGrid(columns: Array(repeating: GridItem(), count: 2)) {
                    ForEach(selectedImages.indices, id: \.self) { index in
                        selectedImages[index]
                            .resizable()
                            .scaledToFit()
                            .frame(height: 150)
                    }
                }
            }
        }
        .onChange(of: selectedItems) { oldValue, newValue in
            selectedImages.removeAll()
            
            for item in newValue {
                Task {
                    if let loaded = try? await item.loadTransferable(type: Image.self) {
                        selectedImages.append(loaded)
                    }
                }
            }
        }
    }
}

struct MultipleSelectionView: View {

@State private var selectedItems: [PhotosPickerItem] = []

@State private var selectedImages: [Image] = []

var body: some View {

VStack {

PhotosPicker("写真を選択（最大3枚）",

selection: $selectedItems,

maxSelectionCount: 3,

matching: .images)

ScrollView {

LazyVGrid(columns: Array(repeating: GridItem(), count: 2)) {

ForEach(selectedImages.indices, id: \.self) { index in

selectedImages[index]

.resizable()

.scaledToFit()

.frame(height: 150)

}

.onChange(of: selectedItems) { oldValue, newValue in

selectedImages.removeAll()

for item in newValue {

Task {

if let loaded = try? await item.loadTransferable(type: Image.self) {

selectedImages.append(loaded)

}

上記コードでは、配列で複数のアイテムを管理し、maxSelectionCountで選択可能な最大枚数を制限しています。

LazyVGridを使用してグリッド表示を実現しています。

メディアタイプを制限した例

特定の種類のメディアのみを選択可能にする場合の実装例です。

用途に応じてフィルターを設定できます。

struct FilteredPickerView: View {
    @State private var selectedItem: PhotosPickerItem?
    
    var body: some View {
        VStack {
            // 画像のみ選択可能
            PhotosPicker("画像を選択", 
                        selection: $selectedItem,
                        matching: .images)
            
            // 動画のみ選択可能
            PhotosPicker("動画を選択", 
                        selection: $selectedItem,
                        matching: .videos)
            
            // 画像と動画の両方
            PhotosPicker("メディアを選択", 
                        selection: $selectedItem,
                        matching: .any(of: [.images, .videos]))
        }
    }
}

struct FilteredPickerView: View {

@State private var selectedItem: PhotosPickerItem?

var body: some View {

VStack {

// 画像のみ選択可能

PhotosPicker("画像を選択",

selection: $selectedItem,

matching: .images)

// 動画のみ選択可能

PhotosPicker("動画を選択",

selection: $selectedItem,

matching: .videos)

// 画像と動画の両方

PhotosPicker("メディアを選択",

selection: $selectedItem,

matching: .any(of: [.images, .videos]))

}

matchingパラメータを使用することで、ユーザーが選択できるメディアタイプを事前に制限できます。

これにより、アプリの仕様に適さないファイルの選択を防げます。

活用シーン

PhotosPickerは様々なシーンで活用できる汎用性の高いコンポーネントです。

プロフィール画像の設定

ユーザーがアバターやプロフィール画像を設定する際に使用。

1枚の画像選択で十分なケースが多いです。

PhotosPicker("プロフィール画像を変更", 
            selection: $profileImage,
            matching: .images)

PhotosPicker("プロフィール画像を変更",

selection: $profileImage,

matching: .images)

SNSアプリの投稿機能

InstagramやTwitterのような投稿機能で、複数の画像を同時に選択して投稿する機能に最適です。

PhotosPicker("写真を追加", 
            selection: $postImages,
            maxSelectionCount: 10,
            matching: .images)

PhotosPicker("写真を追加",

selection: $postImages,

maxSelectionCount: 10,

matching: .images)

画像編集アプリ

写真編集アプリで編集する素材画像を選択する際に便利です。

ドキュメント作成アプリ

メモアプリやドキュメント作成アプリで、テキストに画像を挿入する機能として活用できます。

商品登録・ECアプリ

フリマアプリや商品管理アプリで、商品画像を登録する際の画像選択機能として利用できます。

PhotosPickerの利点

PhotosPickerを使うメリットとしては下記が挙げられます。

実装の簡単さ: わずか数行のコードで高機能なピッカーを実装
一貫したUX: iOS標準のUIなので、ユーザーにとって馴染みやすい
プライバシー配慮: 必要な写真のみアクセス、全ライブラリへのアクセス許可不要
パフォーマンス: システムレベルで最適化された処理
将来性: Appleの標準コンポーネントなので、OSアップデートに追随

従来のUIImagePickerControllerと比較して、デリゲートメソッドの実装やUIKitとSwiftUIの橋渡し処理が不要になるため、開発効率が大幅に向上します。

また、iOS標準のプライバシー保護機能が自動的に適用され、ユーザーから信頼されるアプリ開発に貢献します。

使用時の注意点

PhotosPickerを使用する際は下記の点に注意しましょう。

iOS 16以降限定: それ以前のバージョンでは@availableでの分岐が必要
非同期処理: 画像の読み込みは非同期で行う必要がある
メモリ管理: 大量の画像を扱う際はメモリ使用量に注意

PhotosPickerは比較的新しいAPIのため、古いiOSバージョンをサポートする場合は代替手段も用意する必要があります。

また、画像の読み込みはawaitを使った非同期処理になるため、適切なエラーハンドリングとユーザーフィードバック（ローディング表示など）の実装が重要です。

大容量の画像や動画を扱う際は、メモリリークを防ぐため不要になったデータの適切な解放も考慮しましょう。

まとめ

PhotosPickerは、SwiftUIアプリで写真選択機能を実装する際の標準的な選択肢です。

従来のUIImagePickerControllerと比較して簡潔なコードで実装でき、iOS標準のUIを提供してくれます。

画像を扱うアプリを開発する際は、まずPhotosPicker の使用を検討しましょう！